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Lifestyle

コウタケご飯を作ってみたよ【生の香茸】【上品バージョン】

 

自然のものをとって食べることが好きな「豚カツイカフライ」です。今年は、約15年ぶりに「キノコ」熱が復活し、先日、とある山にキノコを採取に行って来ました。今年は、暑さが続いて、あまりキノコにとって良い年ではなさそうですね。

というわけで、残念ながら、今年も夢の「コウタケ」を見つけることができませんでした。が、15年前よりお財布の中身が増えたので、通販で「コウタケ」を入手しました。

コウタケは、とても良い香りがするキノコで、高級和食で使われたり、マツタケより珍重されている地域もあるとか。養殖はされていないので、天然のものを入手するしかありません。コウタケは分類学的にはイボタケ目イボタケ科のキノコで、近縁には、苦いケロウジ、日本酒によく合うクロカワなんかがありますね。

今回は、念願のコウタケを使って混ぜご飯を作りました。レシピサイトではわかりにくい「なぜこうするのか?」と言うことにできるだけ触れながらレシピを解説していきます。

楽しみ〜。

 

 

今回使うコウタケ

結構いっぱい入っていました。鼻を近づけると、良い香りがします。

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香りの感じは・・・

 

ポルチーニ(セップ)やトリュフのようなナッツの風味に、ちょっとツンとくる強さが合わさっている感じでしょうか。さらに、何かコクのような感じもするので、これが「香ばしい醤油のような香り」という表現の元になっているのかもしれません。

 

正直なところを言うと・・・

 

箱を開けた瞬間は、そんなに強い香りがしませんでした。が、半量ほど、ザルにおいて、日光の当たるところで干していたら、どんどん香りが強くなるじゃないですか!すごい!これは干しコウタケを作ったらとんでもなく嬉しいことになりそう・・・

 

きのこの状態は・・・

 

天然物なので、木の葉や泥を落として、虫出しが必要ですが、虫はほとんど付いてませんでした。割いて中を見ても、虫食いや痛みはあまりなく、結構、状態の良さそうなキノコでした。

 

 

コウタケご飯のレシピ(方針)

 

最低限の味付けでコウタケを味わう

今回は、初めてコウタケを食べるので、できる限り「コウタケ」自体を味わうため、「最低限の味付け」を模索しました。

コウタケは干すと香りが増すようですが、生の香茸なんて、旬の時期しか食べられないので、生の香茸でやってみましたよ。

 

コウタケの特性

コウタケの特性は、ネットや本で調べる限りでは・・・

 

  • 香りが素晴らしい(なんとかこの香りを最大限楽しみたい!)
  • 煮汁、だし汁が真っ黒になる(料理の見た目をどうするか、気をつける必要がありそう)
  • アクが結構強い(火を通したり、干したりすると良い、とのこと)
  • 少し苦味がある(火を通したりすると良いとのこと)
  • 旨味、ダシとも強い、よく出る(薄味でも良さそうかな?)
  • ダシをとった後も味は結構しっかり残る(うん、きっと薄味で良い・・・はず)
  • 食感はポリポリ、サクサク
  • 生食は中毒する(生食できるキノコはそんなに多くないので、これは普通)

 

これらの特性を考慮した上で、レシピを考えます。

 

「混ぜご飯」と「炊き込みご飯」どっちが美味しいの?

炊き込みご飯ではなく、混ぜご飯にしました。

香茸は、炊き込むと香りが飛んでしまいやすいという情報を信じて、先に進みます。

ただ、「炊き込むと味や香りが染み渡って美味しい」という逆の意見もあるようですね。どっちが正しいんでしょう。実食あるのみです!

結論を先取りすると、「混ぜご飯」「炊き込みご飯」という選択肢以外にも、味や香りを左右する要素ありそうな感じでした。奥が深いです。

 

 

コウタケ混ぜご飯のレシピ(上品バージョン)

さて、いよいよ、レシピです。できる限り、素のコウタケを味わうため、結構薄めの味付けです。

 

コウタケ混ぜご飯の材料

 

およそ2人分の材料です。今回は、夫婦2人の主食用の分量です。締めの「ごはんもの」ならこの50%~75%ぐらいで良いと思います。

米関連:

  • 米:2合ぐらい(300cc)
  • 水:300cc (米と同量。正確には、水290cc + コウタケの煮汁10cc)
  • 昆布:適量(米と一緒に炊く。真昆布、5cm x 3cmぐらいを使いました)

 

コウタケ関連:

  • コウタケ:82g (生のコウタケ。量は適当。ちょっと多めかな) ※野生のキノコなので下処理が必要
  • 薄口しょうゆ:5cc (小さじ1)
  • 日本酒:5cc (小さじ1)
  • みりん:5cc (小さじ1)
  • 昆布:適量(コウタケを煮るだし用。真昆布、5cm x 3cmぐらいを使いました)
  • 水:100cc(キノコからも水が出ます。お好みで。この量で結構いい感じで煮詰まりました)

 

薬味:

  • 木の芽:適量。お好みで。

 

それでは、作っていきましょー!

 

作り方

 

大まかな手順

今回は、コウタケの煮汁も入れたうえで、ご飯を炊こうと思ったので、以下のような流れにしました。

  1. コウタケを煮る
  2. ご飯を炊く
  3. 煮たコウタケをご飯に混ぜて蒸らす
  4. 完成

あとでコウタケを混ぜる純粋な混ぜご飯なら、ご飯を炊いている間にコウタケを調理して時短できますね。

 

 

手順1: コウタケを煮る

 

大まかな流れは・・・

  1. 昆布だしをとる
  2. 味付け(醤油、酒、みりん)
  3. コウタケを入れて煮る

まず、水100ccに昆布を入れ煮立たせてダシをとります。中火でやりました。

真昆布なので、関西風ですね。真昆布はまろやかで味わい深い良いダシが出ますよ。昆布だしの取り方ですが、プロの料理人の方は、毎日、同じ味を出す必要があるので、色々気を使う必要があると思いますが、沸騰したお湯の中に昆布を入れっぱなしでも大丈夫です。築地の場外にある「吹田商店」の社長さんに教えてもらいました。

 

参考

【おすすめ】昆布セミナー(吹田商店)
築地場外の吹田商店さんが月一でセミナーを開催されています。セミナーを受けるまで昆布のことは全然わかりませんでしたが、教え方が上手で色々と分かった気になれます!昆布セミナーは吹田商店の公式サイトに案内がありますよ。

 

コウタケを煮たあと、香りをとってみると、少し昆布の香りが強いかなと感じたので、好みですが、昆布は途中でとってもいいかも。あるいは、ダシっ気が真昆布より弱い利尻昆布に変えてみるとか?もありかも。

カツオなどの魚系の出汁は入れませんでした。カツオなどの酸味と旨みとの相性は気になりましたが、味がうるさくなりそうだなと思いましたので、実験はやめておきました。昆布と鰹の組み合わせはシナジーがあって感激するんですけどね。。。

 

次に、味付けです。火にかけたままの昆布だしに、醤油、酒、みりんを入れます

今回は、5cc=小さじ1ずつです。ネットの記事や本と比べると、かなり少ない分量だと思います。関西風の味付けが好きなので、薄口醤油を選びました。また、薄口醤油だと濃口醤油より少ない分量で塩味が足せるので、そう言う意味でも薄口を今回は選びました。

 

続いて、いよいよ、鍋にコウタケを入れます

野生のキノコなので、鍋に入れる前に、下処理は済ませておいてくださいね。煮詰めている間に部屋にコウタケの良い香りがどんどん充満していきます。幸せ〜。

 

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これぐらいまで煮詰めました。生食は中毒するそうなので、火はきちんと通しましょう。噂通り真っ黒。でも、うまそうな香り。

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手順2:ご飯を炊く

 

私は、炊飯器を使わずに鍋で米を炊いています。

うちでは多くても2合ぐらいしか炊かないので、だいたい、ル・クルーゼのココットロンドの18cmで間に合います(多分、3合ぐらいは十分炊けると思いますが)。IHでも使えて、保温も素晴らしいのでおすすめです。ホーロー鍋であれ、土鍋であれ、自分で炊くご飯は本当に美味しいですよ。

 

 

 

では、始めましょう。まずは米を研いで水を吸わせます。併せて、ダシを吸わせるため昆布も一緒に入れておきます。

 

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今回は、米と同量の水を使いました。普段は、少し硬めの炊き上がりが好きなので、水の量は米の80~90%ぐらいにしていますが、基本に戻り同量でやってみます。

ちなみに、水を吸わせる時間は30分にしてみました。まぁ季節によると思います。夏は短め、冬は長めですね。でも、結構適当にいつもやっています。

さらに、コメにコウタケの香りを足したいとの下心から、コウタケの煮汁を10cc足しました。つまり、米の量(300cc) = 水(290cc) + コウタケ煮汁(10cc)としました。

 

では、米を炊きましょう。昆布も入れたまま炊きました。

 

 

手順3: 煮たコウタケをご飯に混ぜて蒸らす

米が炊き上がったら、コウタケを煮汁と一緒に入れてかき混ぜます。混ぜている間も良い香りです。気持ちを高めながら、ふっくら感が出るまで蒸らしましょう。

これで、完成です。お好みで薬味などを準備しましょう。今回は木の芽を使いました。

 

さて、実食

鍋を開けると良い香りがします。見た目はなかなかいい感じ。木の芽をのせるとさらに良い感じになりましたよ。でも、少しご飯が柔らかいかも。

 

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さて、お味はどうでしょうか・・・

 

まず、風味です。

 

かなり上品」でした。昆布だしと薄味で、ほのかな香り、風味を味わうと言う感じで「高級感」はあります。が、もう少し、強い味、締まった味の方がわかりやすくて美味しいかな。

 

では、コウタケの味はどうだったかと言うと・・・

 

コウタケは薄味でもかなり強い味です。口に入れると香りが広がります。かなり美味しいキノコですね。あとをひく感じです。

 

コウタケの食感はどうでしょう・・・

 

食感もポリポリ、サクサク感があって良い感じです。きのこの茎は繊維が強すぎて食感が良くないことがありますが、茎部分も良い感じです。古くなった老菌だとまた違うかもしれませんが・・・

 

コウタケと木の芽もよく合いました。

 

こんな感じで反省点もありましたが、あっという間に食べきってしまいました。おにぎりにしてもうまそう・・・

 

 

今後の改善点

うまい料理を作りたければ、素材と向き合え!とよく言われますが、本当に難しいですね。

今回の実験で分かったことと今後の改善点を書いていきます。

米と水の分量

今回は、米と水を同量にしました。が、少し柔らかかったです。私は硬めで粒立っているご飯が好きなので、次回はもう少し水の分量を減らそうと思います。

ただ、この辺は完全に好みですね。九州は結構柔らかいご飯が多い気がしますし、本当に日本全国、各家庭で色々だと思います。

米を炊く時のコウタケの煮汁の量

コウタケの煮汁は、関西風の透明感のある見た目にしたかったので少なめにしました。具体的には、米の量(300cc) = 水(290cc) + コウタケ煮汁(10cc)でした。

実食した結果は、もう少し香りとダシが効いた方がわかりやすい味になるかなと言う感じでした。なので、味付けを薄くしたままなら、黒くなっちゃいそうだけど、もう少し煮汁を入れても良かったかも。

米とコウタケの分量

米300ccに対し、生のコウタケ82gを使いました。コウタケの量は適当です。柴田書店の「野菜かいせき(柴田書店)」には、(乾燥)香茸の分量は米の1割程度と書いてましたので、乾燥したら1/3ぐらいになると仮定して、概ね米の1割になると思われる分量にしました。

出来上がった分量はちょうど良い感じでした。見た目的にはもう少しあっても良いかなと言う感じだったので、もう少しコウタケ が多くても良いと思います。好みですが。

味付けの濃さ

今回は、薄めにしました(米300cc、コウタケ 82gに対し、薄口醤油・酒・みりんを各5cc)。

コウタケの素の味は確かめられましたが、味付けはもっと濃くした方が良いと思います。ネットで調べると、米1合あたり、調味料は各大さじ1.5~2杯ぐらいを基本にしていることが多かったように思います。

醤油などが多すぎるとコウタケの味がわからなくなってしまうのでは?と思っていましたが、コウタケはかなり強い味があるため、調味料を濃くしても十分に受け止めて存在感を失わないと思います。

薄口醤油・酒・みりん以外での調味

前述の通り、少し味が薄いかなと思いましたので、いくつか組み合わせを実験してみました。

塩味を強めると味がしまって、コウタケの味がより際立ちました。

使う塩は好みに合わせてで良いと思いますが、今回は、カマルグのフルール・ド・セルをかけてみました。美味しい塩です。

 

 

濃口醤油

「香ばしい醤油の香り」とも言われるコウタケの香りとは相性が良いと思いました。もっと正確に言うと、相乗効果があって、お互いの香りを増幅しているように感じました。濃口は、薄口と比べて、香りが良いのが多いですよね。

すだち醤油にしても、さっぱり味で美味しかったですよ。

 

油分

コウタケご飯のレシピでは「油揚げ」を入れているケースが多いですが、油分は足した方が良いと思いました。

まず試したのは普通のごま油です。これはさすがにゴマの香りが強すぎてコウタケの香りを殺してしまいましたので、お勧めしません。

次に試したのは、ゴマの風味がない「太白胡麻油」です。これは大正解でした。油のコク味、コウタケ・昆布の旨みがお互いを増幅し合う感じでかなり良い組み合わせでした。

油揚げを入れるのも納得ですね。


 

 

最後に

料理って本当に難しいですね。でも、野生のきのこはとても美味しいのでチャレンジのしがいがありますよ。

頑張っていきましょー!

キノコに興味がある方は、重たい本ですが、山渓の「日本のきのこ (山溪カラー名鑑)」が一番充実していてお勧めですよ〜(昔、山に入るときにも持っていってました)

 

 

  • 運営者の紹介
豚カツイカフライ

豚カツイカフライ

40代無職。当事者/コンサル両方の立場で、M&Aやアライアンスなどの事業開発、組織の立ち上げなどプロジェクト型の仕事を長くやっていました。MVPを作りたくて、ITエンジニアの勉強もはじめました!

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